限定解除 その6

外周コースに出ても不合格だった日から数日後、府中試験場に向かった。専門校の授業も気になるが限定解除はさらに気になっていた。安全確認不足と指摘されて、アピールの仕方に問題があると思った。自分はその当時、白いジェットヘルメットを被っていた。それに交通安全週間中に警察が配っていたヘルメット用の白い反射テープを張っていた。白のヘルメットに白いテープでは目立たない。バイク用品店でオレンジ色の蛍光テープを購入し、ヘルメットの後部側面に縦にして2本張った。こうすると左右の首振り状態を後方の試験官にアピールできると思ったからである。

その日もN試験官とW試験官ではなく、中堅層の試験官だった。内周コース控室前には試験車としてホンダCB750FourⅡが置いてあった。CB750FourⅡは、CB400FourⅠ/Ⅱの直系の兄貴分のナナハンで、このCB750FourⅡ、CB550FourⅡ、CB400FourⅠ/Ⅱは、OHC4ストロークエンジン、4into1マフラー、カフェレーサースタイルと言う当時ホンダの販売戦略の一連だったのである。と言ってもこのCB750FourⅡも初めて乗るナナハンだった。
自分の番が来てヘルメットのあご紐をぐっとしめ、CB750FourⅡに乗車し、エンジンをかけ一連の動作のうえ発進したが、GT750程では無いものの、比較的大き目の車体の足付きは750RSより高めで、カフェレーサースタイルを謳っているのにアップハンドルがかなり大きく、左右グリップは私には遠めである。そのうえアクセルとクラッチの重さはCB400Four、750RS、GT750どころではない、かなり重たいのである。また直進性が強く、スラローム走行時の倒し込等の操作が手間取ったのである。それでもCB400Fourの直系の兄貴分のナナハンである。気を持ち直して走行を続けた。内周コースをクリアーし、外周コースへと向かい一般走行へ、途中の坂道発進、短距離制動などの課題をクリアーし、走行中の安全確認は左右に、後方に、首を大げさに振った。ヘルメットのオレンジ蛍光色の縦ラインの効果を信じつつ・・・。追尾車のコース指示に従いながら外周コースを回り、内周コースに戻り、控室前に停止、試験は終わった。
CB750FourⅡを降りると試験官に呼ばれ「よし、○○君合格」。「やった~~~!」と、さらに「うっうっうっ・・・」と感極まる自分。試験官から受験者全員の試験が終了する○時頃に本館の試験官室に免許証を持って来るようにと指示された。

試験官室に行くと、試験官に事務机の椅子に座るように言われ免許証を提出。(取り調べかと思ったよ)ナナハン免許所持者になるうえでの訓示を賜わった。内容はすべては覚えていないが毎度の安全運転と事故防止と、限定解除免許所持者として模範的ライダーになるようにとのことだったような・・・。あと警視庁の安全運転の教本を貰った。試験官からこの後、免許交付○番の窓口に行くように指示され、窓口に行くと先ほどの試験官に提出した自分の免許証を渡された。免許を見ると特に何も変わっていなかった。窓口の事務官に「裏に書いてあるよ」と言われ、裏返すと今日の日付けと[限定解除]とゴム判で押されていた。たったそれだけで有ったが、その重みを試験に係わった人達への感謝と共に熱く感じた若き日の自分であった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック