高齢者ドライバーによる交通事故

都内で11月に降雪したのは54年ぶりとのこと。寒気が増し、最近はすっかり出億劫で相棒のV-Strom650も呆れ顔である。そんな訳でツーリングにもあまり出ていない。
で今回は、現在社会を騒がしている高齢者ドライバーによる交通事故への見解を述べることにする。この件、人身死亡事故が多発しており、小さなお子さんや若い世代が被害者になってしまったことに遺憾の意も込めて、さらに自戒も含め、高齢者ドライバーには厳しめの意見であることをご承知願いたい。それは自分も今年還暦を迎え高齢者の仲間入りをしたため、他人事ではすまされないからだ。

最近、クルマを運転していて気付くのだが、確かに運転中に周囲を見回すと高齢者シルバー世代のドライバーが多い。「若者のクルマ離れ」と言うことを実感する。また明らかに70歳以上の高齢者ドライバーもいる。しかし、4色の「高齢者マーク」を付けたクルマをほとんど見かけないのはどう言う事なのだろうか? 付けると他車からなめられると思っているのだろうか? 日本交通安全協会の『交通の教本』を見る限り、「若葉マーク」の場合は「初心運転者標識表示義務違反」が設定されているが、高齢者マークにはそのような違反項目は設定されていないのである。
また目に付くのは一部の高齢者ドライバーは自分本位な運転をして居ることがやたら多く、道路交通法を忘れたのか傲慢な運転が見受けられる。そんなクルマは「走る凶器」となり得る。昨今の高齢者ドライバーのニュース報道然りである。死亡事故を起こしたそれらドライバーの言い分が「事故のことは憶えていない」とはいったい何事であるか。これでは亡くなった被害者の方や、ご遺族に対し申し訳けが経たないではないか。認知症の疑い有りと報道されるが、事故後ではすまされるはずがない。
よって、免許更新時に認知症を含む身体機能の衰えを見逃してしまう現在の免許更新制度も、問題有りである。高齢者ドライバーの人権を擁護する意見もあるが、それは如何なものであろうか。命を失った被害者のことを最も考慮すべきであり、大事な人命が係わっているからである。

勿論、高齢者ドライバーであっても道路交通法を守り、安全運転に徹しているドライバーも居ることは確かである。いや、ほとんどがそのような優良ドライバーなのである。ここで指摘するのは、前述したような「走る凶器」になり得る危ない高齢者ドライバーである。
最近、都内の公道上で、進路変更で入る入らせないなどのトラブルがあっただろうか、道路脇で高齢者ドライバー同士で大喧嘩しているのを、その脇を通過しながら目撃したことが有った。(接触はしていなかったらしい) 道路を一車線潰してケンカ目的だけで、渋滞を発生させ、他車の迷惑になっていることなどお構いなしであり、さらに車線を塞いだことによる二次事故の予測までまったく気が廻っていない。こう言う自己中心的な高齢者ドライバーはまったく迷惑千万である。またニュースで報道されていたが、医師の診断書を改ざんして免許更新しようとした高齢者ドライバーなど、法治国家の日本社会において論外である。
高齢者、特に男性の場合、面子にこだわり過ぎ、頑固になってしうと、切れて喧嘩しやすくなるそうである。『中高年が切れる理由』と言う本を書店でぱらっと立ち読みしたが、クルマに乗るとさらに本性が出易くなるのか、切れる高齢者が多いと言うのもうなずける。自分はこんな頑固一徹な視野の狭い高齢者にはなりたくない。
現在、運転免許試験場で実施されている70歳~74歳までの高齢者講習、および75歳以上の講習予備検査と高齢者講習の強化と、更新期間の見直し、70歳以上の高齢者ドライバーの高齢者マーク表示の法的義務化などを促進するべきであろう。

問題は、安全運転をしている大半の優良高齢者ドライバーの身体的体力的衰えから来る操作困難をどうするかである。
手前味噌であるが、大正生まれの自分の父親は昭和30年代中頃にクルマの運転免許を取り、それからずっと運転していた。昭和の高度成長期、当時購入したトヨタ・コロナで、いろいろなところへドライブに連れて行ってくれた。そんな父親も、75歳を越えて来た頃、急速に身体が衰えて来た。父親はオートマチック車の運転が嫌いで、ずっとマニュアル車を運転し続けてきた。40年以上無事故無違反を続けた父親の運転は、実にジェントルな運転をした。運転への自信がまだあったのであろう。しかし加齢から足腰の筋力が衰え、歩行が困難になった時、母親と相談のうえ、父親に次回の免許更新の時、免許返上(OB免許)して欲しいと話した。父親のその時の寂しそうな顔は今でも忘れられない。しかし、妥協して運転を許し、もし交通事故を起こして他人を死傷させてしまったらそれこそ我が家の一大事である。けっして人命を軽視してはならない。そんな父親は80歳代半ばで逝ってしまったが、免許のことを未練がましく言うことはなかったことに今でも感謝している。 勿論、父親に強いたことは自分にも強いる。将来、自分が加齢し、体力の衰えを感じ運転不的確と自覚したら、免許は返納する覚悟である。
話がそれるが、親父殿の免許をみたら「大自ニ」と記載があった。昭和30年代に普通免許を取れば自動二輪が付いてきた名残である。とは言え、親父殿はクルマ専門でバイク、オートバイは一切運転しなかった。

話を戻す。公共交通機関が限られている地方においては、クルマの運転が出来ないと買い物などの日常の生活に差し支えが出てしまうと言うことがある。自動車が生活必需品で有る訳だ。有効な代替え案はなかなか見つからない。自動運転は高齢者にとって福音であるかも知れない。しかし、レベル4までの完全自動運転化にはまだ年数がかかるであろうし、その時の価格の面での折り合いもあるだろう。(現在はレベル2まで)
それまでの繋ぎとして、現状を鑑み、高齢者ドライバーに即した安価で安全なクルマは出来ないであろうか? 身体障がい者仕様のクルマは開発されている。それらを応用しての高齢者仕様車の構想である。
例えば脚力が弱った場合、ハンドル側、つまり手によってにアクセル操作が出来る装置、アクセルペダルとブレーキペダル踏み間違え防止装置、一般公道上では60km/h、高速上では100km/hまでの速度制限をするガバナー装置 (オートクルーズ装置ではない)、車庫入れ時などに使う格納型のハンドルノブ、などなどである。 

ハードの面だけでなく、一般社会論として、それらのクルマを使ってもけっして恥ではなく、高齢者マークを付けることも、また他車が高齢者ドライバーを軽視することなく、これを良しとする良質なクルマ社会の育成も必要なのではないだろうか。
画像

2015年 東京モーターショー・自動運転車展示コーナー

補足1
高齢運転者標識(高齢者マーク)について。
道路交通法第71条の5第2項により、75歳以上の者が高齢運転者標識を付けないで普通自動車を運転することを禁じる規定がある。しかし、この規定は、道路交通法附則第22条により、当分の間、適用されない。よって現時点、「高齢運転者標識・高齢者マーク」の表示義務及び違反者に対する罰則はない。
また、日本交通安全協会の『交通の教本』に記載されているような70歳以上においての高齢者マークの表示は、努力義務規定とのこと。

補足2
「高齢運転者標識・高齢者マーク」を表示している車両には、周囲の車両がその高齢者車両を保護する義務を有す。よって高齢者マーク表示車両に対し、幅寄せ・割り込みなどは行ってはならないとされている。違反者は「初心運転者等保護義務違反」に問われる。

補足3
またまた手前味噌であるが、父親へ免許返納の話をしても、次回の更新時まで3年弱くらいは残っていた。その間はクルマの運転を控えて貰っていた。更新時期が来て免許返納し、OB免許に切り替わったのは実質78歳を過ぎた頃だった。つまり数年の時間をかけた次第であった。
NHKのニュース解説番組でも指摘しているが、高齢者個々の事情も考慮し、免許返納はいきなりではなく、有る程度の時間をかけることも必要であるとしている。

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